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  3. ビジネス生産性を向上させるMicrosoft Copilotとは?企業が知っておくべき機能と活用方法を紹介

質問に対してAIがデータを検索し、会話形式で答えを提供するテキスト生成AI。ChatGPTはその中でも特に有名ですが、現在ビジネスの生産性を飛躍的に向上させる新しいツールとして、Microsoftが提供する生成AI「Microsoft Copilot」が注目を集めています。

日本企業で徐々に導入が進んでいるものの、まだ多くの企業が導入を見送っているのが現状です。Microsoft Copilotという名前を聞いたことがあっても、具体的な機能については知らないというMicrosoftユーザー企業も多いでしょう。

そこでこの記事では、Microsoft Copilotが具体的にどのようなことができるのか、操作方法ChatGPTとの違いも交えて詳しくご紹介します。Microsoft Copilotを活用して、生産性の高い新しい働き方を実現しましょう。

Microsoft Copilotとは

Microsoft Copilotは、OpenAI社とMicrosoft社が協力して提供する生成AIサービスです。

このサービスは、OpenAIの「ChatGPT」を基盤にしており、Microsoftの検索エンジン「Bing」と統合されています。これにより、Bingの情報を基にリアルタイムで最新の回答を発信してくれます。

「Copilot」とは副操縦士のことで、人間のタスクをサポートするという意味が込められています。

さらに有料プランでは、Microsoft 365と連携することで、WordやExcelのデータを元に表やグラフ、PowerPoint資料の自動作成やデータ解析が可能です。

Microsoft 365と連携したCopilotについてさらに詳しく知りたい方は、以前書いたこちらの記事もぜひご覧ください。

【関連記事】:Copilot for Microsoft365で変わる仕事の在り方

以前は「BingAI」として提供されていましたが2023年11月に「MicrosoftCopilot」と新しい名称に変更されました。

本記事では以降「Copilot」に統一して解説します。

MicrosoftCopilotの機能、使い方

AIチャット機能

検索エンジン「Bing」を活かしたリアルタイムの情報による検索や質問の回答を行ってくれます。

ソースとなるURLも同時に出してくれるため、参照元を調べ情報の真偽を確認したりより詳しい情報を引き出すことも可能です。

実際に「ユーネットについて教えてください」と質問すると以下のように回答してくれました。

また、ゼロから文章を考えてくれることも可能で例えば「メールの文章を考えて」や「タイトルを考えて」などのアイデア出しにも活用できます。

ページの要約

PDFなどのドキュメントの内容、メール、ニュース記事、研究論文など、さまざまな種類の文章を要約することができます。

Copilotは、自然言語処理技術を駆使して、文章のポイントをピックアップして1つの文章として抽出してくれます。

また、英語で書かれた記事であっても、そのまま日本語要約をしてくれます。

画像生成

OpenAIが開発した画像生成AI「DALL-E 3」が組み込まれており、ユーザーのリクエストに応じてオリジナルの画像を生成してくれます。細かい指示や修正を追加することで、文脈を理解しながらより具体的なイメージに近い画像を生成してくれます。

利用方法

Copilotは基本的に誰でも無料で利用することができます。

webブラウザから利用する方法

ブラウザから直接利用する場合は、普段使用しているEdge、Google ChromeやFirefoxなどからCopilotのサイトを開きMicrosoft 365にログインことでCopilotの機能を利用することができます。

こちらのURLから移動が可能:https://copilot.microsoft.com/

Copilotのサイトを開くと次のような画面が表示されるので、必要に応じてアカウントにログインしてください。

Edgeのサイドバーから利用する方法

Edgeブラウザの右上を見ると、Copilotのアイコンが組み込まれています。

以下Microsoft Edgeのサイドバーを表示させる方法を簡単にご紹介します。

  1. Edgeの右上にある「…」メニューをクリックし、「設定」を選択します。
  2. 「外観」をクリックし、「サイドバー」を有効にします。
  3. Copilotアイコンを追加
  4. サイドバーの「+」アイコンをクリックし、利用可能なツールのリストから「Copilot」を選択します。
  5. Copilotの起動

この手順で、Microsoft Edgeのサイドバーから簡単にCopilotを起動できます。

その他シーンでは画面右下(Windows 11バージョンにより検索ウィンドウ右に表示されることがあります)のアイコンをクリックすることでサイドバーが表示されます。

スマートフォンから「Copilot」を利用する方法

CopilotはiOSやAndroid向けにも専用アプリが提供されており、App StoreやGoogle Playからインストールすることで利用できます。以下のリンクからダウンロードして、Copilotの機能を活用しましょう。

【参考】:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-copilot

Copilot3つのプランの比較

プランCopilotCopilot ProCopilot for Microsoft 365
月額料金無料3,200円4,497円
基本機能
迅速な回答
優先的なアクセス権
Microsoft 365の利用
Microsoft Teamsの利用
高度なセキュリティ環境
※Microsoft Graph grounding

※Microsoft Graphのデータにアクセスし、より関連性の高い回答を生成する機能

上記の表でCopilotCopilot ProCopilot for Microsoft 365の3つのプランごとに比較しました。

無料プランでも、高性能なGPT-4モデルを搭載したチャットボットを利用でき、質問への回答やWeb検索、画像処理、画像生成などの基本機能を活用できます。

Copilot Proは個人向けの有料プランで、GPT-4モデルへのアクセス優先権が得られるほか、無料プランに比べて回答スピードが向上し、より迅速なアクセスが可能となっています。また、Word、Excel、Outlook、PowerPointなどのMicrosoft 365と連携できる点が大きな違いです。これにより、ドキュメント作成やデータ管理、メール処理がさらにスムーズになるので、業務効率を向上させたいビジネスユーザーにおすすめです。

Copilot for Microsoft 365は主に法人向けの有料プランで、Copilot Proの機能に加えてTeamsとの連携が可能です。これにより、会議の要約や議事録の作成などを効率的に行うことができます。また、企業のデータセキュリティの強化もされています。

企業でCopilotを導入する場合は、Copilot for Microsoft 365をおすすめします。

CopilotとChatGPTの違い

言語モデル

CopilotとChatGPTはどちらもOpenAIが開発した「GPT」言語モデルを基盤としています。

Copilotの無料プランはある程度の制限はあるものの最新バージョンである「GPT-4」を無理なく利用できます。

一方、ChatGPTの無料プランでは制限付きでより高性能な「GPT-4o」を利用できますが、連続で10回の利用とかなりの制限があります。無料で利用できるChatGPTのベースは「GPT-3.5」となっているため、高精度な言語モデルを制限を気にせず試したい方には、Copilotの利用がおすすめと言えるでしょう。

情報の鮮度

ChatGPTの情報は定期的に更新されており、2024年8月時点では「GPT-3.5」の場合は2023年8月まで、「GPT-4o」の場合は2023年10月までの情報を基にテキストを生成しています。一方、Copilotは検索エンジンのBingを利用して検索を行うため、常に最新の情報を基にテキストを生成することが可能です。

例えば、ChatGPTとCopilotのそれぞれに2024年5月に開催された展示会イベント「NexTech Week2024について」質問したところCopilotではWeb上の記事を元に次回開催の情報が返ってきましたが、ChatGPTでは以下のように具体的な情報は「公式ウェブサイトを確認するのが最も最適です」と返ってきました。

Copilotに質問した場合

ChatGPTに質問した場合

また、Copilotに質問すると、回答には参照元のURLが表示されます。URLをクリックすることで元の記事にアクセスでき、情報の真偽や詳細をすぐに確認することが可能です。

一方、ChatGPTでは提示される情報の参照元や情報ソースが記載されないため、情報の真偽や詳細については自分で確認する必要があります。

画像の生成

Copilotは無料プランでも画像の認識や生成が可能ですが、ChatGPTの無料プランでは画像生成機能がなく、有料プランのみで利用できます。

CopilotとChatGPTの違いまとめ

無料プラン同士で比較すると、Copilotの方が制限が少なく高性能と言えます。ChatGPTは高度な自然言語処理能力と幅広い処理範囲により、文章生成やアイデア出し、翻訳を得意としています。一方、Copilotは情報収集の精度やOffice製品との連携による生産性向上を得意としています。

それぞれ得意とする分野が異なっているため、それぞれの特性を活かして、適切に使い分けることが大切です。

Copilotを企業が利用する際の注意点

Copilotは簡単に始められて非常に便利なサービスですが、現時点では以下の点に注意が必要です。

生成された回答の正確性

Copilotが生成する回答には、誤った情報や不適切な表現が含まれる可能性があります。利用の際には、回答と同時に表示される参照元のURLの確認など、情報の正確性を適切に判断する必要があります。

機密情報の取り扱い

Copilotはデータを処理する際に情報を保存することはありませんが、セキュリティの観点から、機密情報や個人情報を入力しないようにすることが重要です。

専門的な質問や複雑なタスク

Copilotは多くのタスクに対応していますが、専門的な質問や複雑なタスクには対応できない場合があります。

質問や指示が複雑になるほど、一回の指示で望む回答を得ようとするのではなく、シンプルな指示から得られた回答をもとに、地道にプロンプトを修正したり、質問を複数回に分けて行うなど、質問の仕方を工夫することが重要です。

まとめ

今回は、Microsoftが提供する生成AI「Microsoft Copilot」の機能と使い方についてご紹介しました。Copilotは最新情報の収集や文章作成、画像生成など、多岐にわたる業務の効率化に役立ちます。特に、Copilot for Microsoft 365を活用することでWord、Excel、PowerPointなどと連携することで、日常業務の生産性を大幅に向上させることができます。

日本では、多くの大企業がOffice製品を導入しており、Copilotをいち早く取り入れることで、競合他社に対して優位に立つことができるでしょう。この機会に、ぜひCopilotを活用してみてください。

また、Copilot for Microsoft 365の詳細については、別の記事でさらに深堀りしていますので、そちらもぜひご覧ください。

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