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  3. IT投資と経営の関係とは?中小企業で行うメリットや現状を解説

大企業はITに対して投資を行い、業務の自動化や効率化を進めることができますが、一方で中小企業や小規模事業者はITにかける投資の割合が少ないとされていました。確かに、かけられる予算のことを考えると、中小企業の予算割合が少ないことは仕方がないと考えられます。

しかし、近年は新型コロナウィルス蔓延により、デジタル化の重要性が再認識された事実があります。その結果、多くの中小企業がIT投資にかける予算を大きくしているようです。本記事では、中小企業のIT投資の現状や、IT投資にかけられている予算、メリットなどを詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

IT投資と経営の生産性

IT投資と経営の生産性には相関関係があるようです。「2018年度 中小企業白書」において行われた、3,851企業を対象とする「IT 活用の必要性、 導入状況、 効果(企業全体での総合評価)」によれば、「ITを導入し期待した効果が得られている」と回答した企業は全体の12.6%、「ITを導入しある程度の効果を得られている」と回答した企業は5.8%に及びます。

参照:中小企業白書
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap4_web.pdf

中小企業でのIT投資の現状

中小企業ではどの程度ITに投資が行われているのでしょうか。ここでは、IT投資の現状を見ていきます。

IT投資の予算はどれくらいなのか

業種全体における「IT予算の売上高に対する比率」調査によれば、2018年度の全業界の平均値は1.96%、2019年度の全業界の平均値は 2.21%でした。つまり、前年度と比較して、0.25%増加していることになります。

また、業界別で一部抜粋すると、建築・土木は2018年0.90%から1.84%へ0.94%増加、商社・流通では2018年1.22%から1.50%へ0.28%増加と、金融業を除いて前年比は増加しています。つまり、多くの企業がITへ予算をかけていることがわかります。

参照:業種グループ別 売上高に占める IT 予算比率
https://juas.or.jp/cms/media/2020/05/JUAS_IT2020_original.pdf

投資予算と業績は関連する

次に、投資予算と業績に関連する数値を見ていきましょう。もちろん、業績が悪化すれば、その分予算を投じることができないのはわかりますが、本当に業績が上昇したら投資を行う企業が多いのかは気になるところです。

企業IT動向調査報告書2020によれば、「IT予算の売上高に対する比率」の項目において、 19年度のIT予算の売上高に占める比率は、18年度より増加傾向にあると考えられています。

実際のIT投資・ITツールの導入状況

「中小企業におけるITツールごとの利活用状況(売上規模別)」によれば、中規模企業群の58.8%が一般オフィスシステム(ワード・エクセル等)にIT投資を行っているようです。続いて、電子メールは56.3%、給与・経理業務のパッケージソフト42.9%と続きます。グループウェアに関しては、12.6%の企業が導入しているようで、全体としては最下位の数値となっています。

数値こそ違いますが「小規模企業群」「際小規模企業群」もほぼ同様の順位でIT投資が行われているようです。

中小企業がIT投資をするメリット

中小企業がIT投資を取り入れる最も大きなメリットは「業務効率化」です。ITツールを取り入れることで、経費計算や勤怠管理をデジタル化でき、負担を大幅に削減できます。例えば、今まで紙やExcelで対応していた経費計算は、作成、チェック、仕訳、振り込み手続きまでを手作業で行う必要がありましたが、そういった作業を全てパソコン上で完結させられます。

また、社内コミュニケーションの円滑化も、IT投資を行うことで実現できることの1つです。これまでメールを活用していたコミュニケーションをビジネスチャットに変更するだけで、スムーズに対応できます。

このように、IT投資を活用することでさまざまな課題を解決することに有効だと考えられます。

まずは守りのIT投資から始めてみる

IT投資には「守り」と「攻め」があります。

守りのIT投資とは、業務効率化やコスト削減を目的としたITツールの活用方法です。例えば、既存のビジネスモデルを円滑に進めるため、アナログ業務をIT化したり、既存システムのメンテナンスを行ったりすることが守りのIT投資だと言われます。

一方で攻めのIT投資とは、新たなサービスや商品を制作するために積極的にIT投資を行うことを指します。製品やサービスの開発を強化したり、既存のビジネスモデルを変革したりすることが攻めのIT投資です。

どちらかに全予算をかけることは早計で、バランスよく取り入れることは重要になりますが、攻めのIT投資の比率を上げていくことが大切だと考えられています。

IT投資補助金の利用も視野に

IT投資を行う場合、IT投資補助金の利用も視野に入れると良いでしょう。IT投資補助金は4類型に分かれており、それぞれ補助金の金額が異なります。

A類型・B類型

ITツールの「プロセス数」とITツールの「導入費」によってA類型とB類型に区分されています。具体的には、A類型の補助額が30万〜150万円未満、B類型が150万〜450万円以下となっており、どちらも補助率は1/2以内です。

C類型・D類型

「対人接触の機会を低減するような業務の非対面化」するためのツールに利用する場合は、C類型・D類型を活用できます。具体的には、ハードウェア端末のレンタル費用や、ITツールの導入費に使用可能です。

詳しくは「IT補助金2022」をご確認ください。

参照:IT補助金2022
https://www.it-hojo.jp/

まとめ

本記事では、中小企業のIT投資の現状や、IT投資にかけられている予算、メリットなどを詳しく紹介しました。IT投資によって、生産性を向上させつつ、業務負担を減らすことが可能です。また、社内コミュニケーション円滑化にも役立つケースがあります。

IT投資は、まずは試してみることが大切ですが、その予算を捻出できない企業も少なくありません。その場合は、IT補助金を活用することで、解決につながる可能性があります。本記事の内容も参考に、補助金の適用も検討してみてください。

また、IT投資においては、「どんなツールに投資すれば良いのかわからない」「投資することでどんな効果が得られるのか不安」など疑問を抱えている経営者の方もいらっしゃるでしょう。そういった場合は、信頼のおけるITパートナーを見つけて、しっかり相談することがおすすめです。

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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