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  3. RPAの基礎知識、Power AutomateDesktopで始める自動化

経営者のみなさんには既にご存知かもしれませんが、代表的な業務効率化のDXソリューションがRPAです。人間の作業をソフトウェア上で自動化することによって効率化を行います。ここでは、あらためてRPAの基礎知識を整理するとともに、安価で利用できるマイクロソフト社のPower Automateの概要を紹介します。

業務効率化ソリューションのRPAとは

RPAは「Robotic Process Automation」の頭文字を略した言葉です。ロボットといってもハードウェアのロボットではありません。RPAのロボットはデジタルレイバー(仮想的な知的労働者)と呼ばれることがありますが、ソフトウェア上のプログラムで稼働します。

具体的にどのような自動化ができるかといえば、複数のファイルからデータを収集してひとつのファイルにまとめたり、リストから条件によって通知をメールで配信したり、面倒な単純作業をソフトウェアが代替して迅速に処理します。定型的な繰り返し処理の自動化がRPAの最も得意とする分野といえるでしょう。

人間が行っていた作業をそのまま自動化できることがRPAのポイントです。ファイルを開いて、インターネット上からコピーしたテキストを入力するなど一連の作業が可能になります。

RPA登場の背景には人材不足の解消があった

こうしたRPA登場の背景には、深刻な人材不足があります。

日本では少子高齢化によって労働人口が縮小し、多くの企業において慢性的な人材不足に悩まされています。人手不足を補うためにさまざまな施策が検討されていますが、RPAによる解決もそのひとつです。働き方改革により長時間労働を是正し、生産性を向上させる機運が高まったことも要因となり、DX推進の流れの中でRPAが重要度を高めています。

日本国内の市場動向に目を向けると、2016年以降からRPAの利用が拡大しました。矢野経済研究所の調査では、事業者売上をベースとして2016年には85億円だったRPAの市場は2019年度に529億7,000万円に達し、2023年度には1,520億円まで成長すると予測しています。

参考:RPA市場に関する調査を実施(2020年)

RPAの得意分野と苦手分野

RPAの強みは人間と違って「疲れない、休まない、間違えない」ことです。ソフトウェアのプログラムのため当然といえば当然ですが、データの転記、情報収集、記載されている情報のチェックといった単純な繰り返し作業の自動化を得意とします。

こうした単純作業を人間がこなそうとすると、分量が多いほど人間は疲労が重なり、ミスが多くなります。また、作業に追われて戦略的な案件に手がつけられない状況にもなります。まさに機械的に処理をするRPAに任せることで、仕事の負荷を軽減できるといえるでしょう。

一方で、同じ繰り返し作業であっても、ルールが複雑で、イレギュラーなデータに対する特別な対応が求められるような非定型作業はRPAの苦手な分野とされています。ただし今後はRPAのAIが高度な機械学習によって複雑なルールを学び、あたかも人間が考えるような自律的な処理を実現する可能性があります。

AI搭載によるRPAの進化

既にAIを搭載したRPAが実用化されていますが、今後のRPAの進化としては、まず定型的な作業を自動化するRPAからAIと連携して一部の非定型作業を自動化するEPA(Enhanced Process Automation)が考えられています。さらに高度なAIによって業務の意思決定まで行うCA(Cognitive Automation)という3段階の発展が構想されるようになりました。

ChatGPTをはじめLLM(大規模言語モデル)による自然言語処理の進化がめざましい現在、非定型作業を含めて、面倒な仕事の多くをRPAのロボットが代行してくれる時代になるかもしれません。

RPAの3つの種類

現在のRPAには主にデスクトップ型、サーバー型、クラウド型の3つの種類があります。それぞれ初期費用とランニングコストがかかり、サーバー型では数千万円以上の費用が必要になるものもあります。コストの面では、デスクトップ型が最も低コストで使い始めることができます。

中小企業のDXにおいては、導入コストも大きな課題といえるでしょう。人手が足りない、効率化したい、しかし予算は限られているという状況下で、人材採用やアウトソーシングによって解決するか、自動化によるDXで解決するかといった選択は悩みどころではないでしょうか。したがって、PoCの実施も含めて試験的に安価なソリューションを使い始めることが重要です。

Power AutomateDesktopで始める自動化

人手不足の解消、生産性向上に悩む経営者のみなさんに試していただきたいツールのひとつが、マイクロソフト社のPower Automate Desktopです。

Power AutomateDesktop はかつてWinAutomationと呼ばれていました。WinAutomationは2020年にMicrosoftが買収しPower Automate Desktopとしてリリースされました。名前の通りPowerAutomationDesktopはデスクトップ型ぼRPAです。特徴としてはWindowsユーザーであれば単体利用が無料で利用できる点にあります。Windows11には標準搭載されています。Windows 10の場合は、ダウンロードして無料で使い始めることができます。

「RPAでどのような自動化ができるか?」と興味があれば、触ってみる事をお薦めします。

Power Automate Desktop 2つの活用事例

まず「Power Automate Desktopを使うと何ができるのか?」について、2つの活用事例を挙げます。

ECサイトの商品情報の更新

 ECサイトを運営している方々の大きな作業負担の一つが毎日に変わるの商品情報(在庫等)を自社サイトや様々なモール(Amazon、楽天、Yahooショップ等)を毎日更新するという作業があります。近年はAPI化も進み自動化の動きが進んでいますがAPI連携の為にはシステムの導入が必要にる為すぐに対処が出来ないケースもあり、手作業で実施しているケースもまだまだ多いのが実態です。複数のサイトを開いて商品情報をアップする作業は一日に複数回実施する必要もあり大変面倒な作業です。こういった同じ情報を複数の別々のサイトに入力する手作業はRPAで自動化する事で高い軽減効果の出る作業の一つになります。

 いつもの午前中は商品情報の入力に追われていた時間が、RPAを活用する事で既にその作業が完了している状態で出勤の朝を迎える事が出来ます。

画面の入力項目が多く面倒なERP(基幹システム)

 ビジネスの規模が大きくなってくるとERP(基幹システム)を導入して業務全体の最適化を図る事になります。ERPの多くはパッケージ製品で完成された機能に自社の業務を併せて使い方を決めて利用しているケースが多くみられます。
パッケージ製品は汎用的につくられている為、多くの企業がカスタマイズせずに利用出来る反面、使わない項目や機能が沢山発生してしまいその結果が使いづらいシステムなってしまいます。

 例えばある工場で商品を製造した場合、生産管理の処理の後に在庫に反映させる等の処理が必要になりますが、①実際に出来た製品を入庫する②消費した材料や消耗品を出庫する③発注点を下回った材料や消耗品を発注する、といったようにいくつかの処理をパックで行う必要があります。ERPによっては1操作で全ての更新が自動的に行われるものもありますが、標準機能では正しく反映されない箇所がどうしても発生してしまい毎回①~③の操作を行わなければならないというケースを良く見かけます。このように1つの作業に合わせてパックで行わなければならない操作などをRPAに置き換える事で、担当者は最初のトリガーになる作業だけを行うだけで済むようになります。

Power AutomateDesktopの機能

具体的な事例からPower Automate Desktopによって実現できる自動化を説明しました。機能面から紹介すると、主に「アクション」と「フロー」という処理を備えています。

アクションでは、ウィンドウを開いたりファイルやフォルダをコピーしたりする操作のほか、Excelの操作、Webサイトからのデータ抽出やフォームへの入力、メール、またキーボードやマウスの操作も可能です。PDFからテキストを抽出、OCRのアクションも備えています。

フローはアクションを組み合わせたもので、順番やタイミングを設定します。「Webサイトのページを開く」「ボタンをクリックする」「テキストをコピーする」というような一連の流れを設定できます。

さらにAzureやAWSのクラウドに対する操作のほか、マイクロソフト社のアプリだけでなくGoogleのコグニティブサービス(AI)などとの連携が可能です。

Power Automate Desktopの料金体系

Power Automate DesktopはWindowsユーザーであれば無料で利用が可能です。
更に便利に利用する為には、クラウド製品のPowerAutomation(旧クラウドフロー)のPremiumプランと組み合わせる事で複数のPCでRPAアプリを共有して利用する事が可能になります。

詳細は、以下でご確認ください。

参考:Power Automate 価格

Power AutomateDesktopによる安価で簡単な自動化

Power Automate Desktopは、営業部門のほか総務部門のようなバックオフィス部門でも利用できます。マイクロソフト社のTeamsなどと連携するほか、FacebookのようなSNSやチャットツールなどと連携して、さまざまな自動化に役立ちます。Power Automate Desktopは画面上でマウスの操作などドラッグ&ドロップによって自動化処理の流れを作成可能であり、こうしたツールはノーコード/ローコードツールと呼ばれています。ノーコード・ローコードはMS365のライセンスで利用できるPowerPlatformに含まれておりPower Automate Desktopを組み合わせて使う事で業務の自動化が出来る範囲が非常に広くなります。RPAには高価で高機能なRPAもありますが、まずはPowerAutomateDesktopで試してみる事をお薦めします。高い処理性能や複雑なアクションが必要な場合を除き、十分に業務でも活用する事が可能です。

まとめ

RPAには難しい印象がありますが「面倒な処理の自動化」として理解する、さまざまな活用シーンが考えられるはずです。パート、アルバイト、派遣社員に仕事をお願いするとき、仕事の流れの作業マニュアルを作成して指示することがあるでしょう。それをソフトウェア上で自動化する考え方です。いずれAIが柔軟に対応する日が来るかもしれません。

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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