2023.04.11
DXコンサルタントとは?コンサルティングの役割やメリットを解説
変化の早い市場で競争力を強化するためには、データやデジタル技術を活用し、新しい価値を生み出すDXが必須と言われています。迅速にDX化に進む手段として注目されているのが「DXコンサルタント」の存在です。
そこで今回は、DXコンサルタントの役割や業務内容、メリットなどを紹介します。また、コンサルティングを活用するべきポイントや注意点などについても見ていきましょう。
DXコンサルタントとは?
DXコンサルタントとは、企業や団体などのDX(デジタルトランスフォーメーション)化をサポートする職業またはサービスです。DXに関わるデータやテクノロジーなどの専門知識と、経営の豊富な知見を持ち、企業の組織構造の改革、売上アップ、新しいビジネスモデルの創造などに導くコンサルティングを行います。
DXコンサルティングの役割
DXコンサルティングの役割は、AI、IoTなどの先進技術を使った商品やサービスの導入、データ利活用などを経営戦略に盛り込み、施策のプラニングやアドバイスを行いながら事業の最適化・最大化を支援します。主な業務として挙げられるのは、以下の通りです。
ビジョン策定
企業の実績や経営状況を理解し、デジタル化の必要性、将来的に進むべき方向性を明確化できるようにサポートしていくのがビジョンの策定です。最新システムの活用方法、データの扱い方、評価方法なども指導します。
DX戦略の設計・計画
企業のビジョンに基づき、現状の把握、課題の抽出などデータを収集・分析します。そのうえで、ITやDXに関する知識を生かして、企業の変革につながるアイデア、戦略の設計や計画の提案、アドバイスを行います。
開発支援
開発支援とは、DX戦略施策に基づき、プロジェクトを実際の利用者レベルまで設計を落とし込むことです。新しいアイデアやコンセプトが実現可能かを検証するPoC(Proof of Concept)、プロダクトを検証するためのMVP(Minimum Viable Product)などを繰り返し、入念に検証を重ねたうえでシステムの開発・実装をサポートします。
組織変革・人材育成
実装後の運用状況を見ながら、デジタル化や組織戦略の評価、見直し、改善を行い、戦略の方向性を軌道修正していきます。また社内のITリテラシーを高め、デジタル人材の獲得、デジタル人材育成を想定した人事戦略もアドバイスします。
どのような場合コンサルタントを活用するべき?
さまざまな業種・業界が、デジタル技術を活用したサービスの開発やビジネスモデルの創造に取り組んでいますが、すべてがスムーズにいくとは限りません。DXへの取り組みが進まないときは、コンサルティングを活用するべきでしょう。どのような状況で必要なのか、企業の特徴を挙げていきます。
コンサルティングを受けるべき企業
IT人材がいない、または不足している企業は、DXコンサルティングを受けるべきです。デジタルと経営の知識、実績を持ち、DXを推進できる人材なしでDX化の取り組みを進めるのは容易なことではありません。コンサルティングを受けることで、DX実現に向けた取り組みを早く開始できます。
また、事業がうまくいかず、既存システムに課題を感じている、戦略はあるがIT分野に詳しくないために既存システムから脱却できない企業も、コンサルティングが必要でしょう。
さらに、課題や変革に対するアイデアや構想を持っているものの、どのように実行したら良いか分からないという場合もおすすめです。具体的なデータ利活用や先進技術の知識・スキル支援、システム設計、開発支援を依頼することができます。
よく見られるDX推進が進まない原因
DXを推進したいが改革が進まないときは、いくつか原因があります。まずDX推進に当たり、何をして良いか分からない、明確なビジョンを持っていないケースが多いです。
DX化に取り組む場合は、ビジョンや目標を持たずに取り組むと、先進技術を取り入れることが目的化してしまい、単純にデータのデジタル化で終わってしまう可能性があります。技術を活用して事業をどうしたいのか、どのようなビジネスにしていきたいのか、長期的な目線でビジョンを決めていきましょう。
また、経営者のコミットメントがない場合も、DXが進まない原因として考えられます。DXはビジネスそのものを変革する取り組みであり、経営に深く関わる事業です。経営者・経営層が積極的にプロジェクトにコミットし、リーダーの輩出や権限の付与、協力体制を整備していくことが大切です。
DXコンサルティングを受けるメリット
コンサルティングを受けることで、いくつかのメリットが考えられます。
まず、DXコンサルティングを依頼することにより、急いでDXを推進できる社内人材を確保する必要がなくなります。人材確保や人材育成には時間やコストがかかりますが、DXコンサルティングであれば、すでに知識とスキルを持った人材が対応してくれるため、検討段階での事業を停滞させることなく事業やサービスの品質の維持が可能です。
また、DXコンサルタントから最新の技術やプロジェクト管理、ツールの活用法などさまざまな知見やノウハウを社内に取り入れることができます。それらを蓄積することで人材育成に役立つほか、企業の情報資産としての価値を高めることにもつながるでしょう。
さらに、DXコンサルタントは中立的な立場で企業のDXの取り組みを支援するため、経営層や現場の利害関係、部署同士の摩擦などに振り回されないチーム編成とプロジェクト推進を実現しやすくなります。
コンサルティング導入時の注意点
DXコンサルティングを依頼する場合に最も注意したいのが「コンサルタントに任せきりにしない」ことです。コンサルタントの提案やアドバイスどおりに実践しても、経営ビジョンや企業文化と合わなければDX化に成功するのは難しくなります。
DX推進の検討段階から自社の人材を積極的に参加させ、経営層はもちろん、全社員にも講習など学ぶ機会を設けて意識改革を行いましょう。
また、DXコンサルティングの期間を設けることも大切です。DXは長期的な視野で計画を立てるものですが、コンサルティングが長くなるとその分料金も高くなります。企業規模が大きいほどプロジェクトは複雑になるため、必要に応じて延長も考慮した予算を組んでおきましょう。
コンサルティング会社の選び方
コンサルティング会社と一口に言っても、会社の特色や抱える人材によって得意な領域や実績が異なります。
得意な領域で選ぶ場合は、主に「戦略立案」「システム開発」「サービスやプロダクト」などに強みを持つ会社に分かれることが多いと言われています。
DXについて「何から始めれば良いか分からない」という企業は戦略立案が得意なコンサルティング会社を、「戦略はできているが技術に詳しくない」という企業はシステム開発、「アイデアはあるが具体化できない」という企業はサービスやプロダクトに強い会社を選ぶなど、自社に合わせて検討しましょう。
また、コンサルティング会社の実績で選ぶ場合は、自社ホームページなどで公開している事例や、ニュースのインタビュー記事などもあるので、条件に合うものを参考にしてみると良いですよ。
まとめ
コンサルティングは、将来的にシステムの内製化に向けた支援を行う会社を選ぶのもポイントです。前述したように、DXは改革であり、企業の経営戦略となります。コンサルティングのサポートを受けながら知識やノウハウを身につけ、デジタル時代に強い企業を自社の力で作り上げていきましょう。
(画像は写真ACより)
この記事を書いた人
KJ@DXコラム編集長
エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております
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