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  3. ChatGPTはDXをどう変えるか?中小企業にもたらされる変化を考察

対話型人工知能のChatGPT(チャットGPT)が、2023年に入ってめざましい進化を遂げています。第3次AIブームといわれて久しくなりますが、社会を変革する勢いです。この記事では、中小企業の経営者にも分かりやすくChatGPTの機能や背景を整理するとともに、実際にどのような影響を与えるか、ポジティブな面とネガティブな面から考察します。

ChatGPTの3つの特徴

ChatGPTは2015 年にアメリカで設立されたOpenAIが提供しているサービスです。人工知能がDXの中枢としてビジネスを変革することは従来から言われてきましたが、ChatGPTによって、2023年は数か月のうちにAIを取り巻く環境が劇的な変化を遂げました。

まずChatGPTの特徴を3つの側面から整理します。

特徴1:自然な対話ができるジェネレ―ティブAI

対話型の人工知能といえば、iPhoneのSiriが馴染み深いのではないでしょうか。多くの企業のWebサイトでは、問い合わせ対応にチャットボットが使われています。訪問者の質問に人工知能がデータベースから最適な回答を表示させる仕組みです。汎用型とはいえませんが、私たちの生活で特化型の人工知能が活用され始めていました。

ChatGPTも基本的にはチャットボットの対話型プログラムです。プロンプトと呼ばれる欄から質問して、AIによる回答が得られます。ただし、ChatGPTは回答できる範囲と回答のパターンがこれまでのチャットボットと比較して大幅に拡大しています。

たとえば、文書の作成や要約も可能です。文体を変えて文章を作成したり、データをExcelで使えるように整形したり、高度な活用ができます。さらに質問からAIが自動的にプログラミングを行い、ゲームやWebサイトを作るなど、多彩な機能を備えています。

こうした質問に合わせて多様な結果を生成する機能を持つ人工知能は、ジェネレ―ティブAI(生成AI)と呼ばれています。イラストや音楽など、創造的な分野における活用も期待されるようになりました。

ChatGPTは、OpenAIの開発したGPT(Generative Pretrained Transformer)の自然言語処理により、まるで人間と話しているような自然な対話から結果が得られます。

特徴2:大規模自然言語モデルによる機械学習

人工知能は機械学習によって賢くなりますが、ChatGPTは大規模言語モデル(LLM、Large Language Model)を採用。ChatGPTを大きく進化させることになった特徴として、大規模なデータから学習する点があります。

巨大なデータから学習するとともに、多くのユーザーが対話を使い続けることによって、ChatGPTは賢くなっていきます。最新の自然言語処理であるGPT-4はパラメータ数が拡大し、画像が扱えるなど大きな進化を遂げました。

特徴3:多様な企業が利用可能なオープンソース

ChatGPTを生み出したOpenAIは非営利団体であり、ChatGPT自体はオープンソースの技術としてクラウド上で提供されています。したがって、APIという仕組みを使えば、さまざまな企業や個人がChatGPTの技術を使ったサービスを公開できます。独占的ではなく、可能性に注目した人々が自由にビジネスチャンスを創出できる開かれた技術なのです。

たくさんの人々が開発したサービスに対して、ユーザーが人工知能を育成することで、さらに便利になっていきます。ChatGPTのプラグインもオープンソース化されましたが、今後はさまざまなアプリケーションが生まれることでしょう。

Chat GPTの登場により変わり始めたIT業界

ChatGPTのめざましい躍進により、IT業界の巨大企業のAI開発が加速し始めました。続いてこの動向を俯瞰します。特に注目すべきはマイクロソフトです。OpenAIと連携して、さまざまなサービスや製品のAIとの融合を進めています。一方、ChatGPTに対抗する勢力が活性化しつつあり、GoogleはBardをリリースしました。

数か月どころか毎日のように新たなサービスが生まれ、劇的に変化しています。2023年の4月時点の現状になりますが、IT業界の動向を簡単に整理します。

マイクロソフト社との連携

マイクロソフト社は2019年からOpen AIに10億円もの投資を行ってきました。GPTを「初代iPhoneと同等の衝撃」と評価し、あらゆる製品のAI採用するロードマップを示しています。

マイクロソフト社のクラウド基盤を提供するサービスとしてAzureがありますが、AIインフラの構築を進めています。また、検索エンジンやブラウザ、消費者向け製品のOfficeにもGPT-4の技術を採用を表明し、アグレッシブな展開が注目を集めています。

現在、マイクロソフトの検索エンジンBingにはGPTが組み込まれています。Microsoft Edgeでは、右上のアイコンをクリックすることにより、チャットができるほか、メールや記事などの文書作成が可能です。GPT-4ベースのサービス提供も視野に入れています。

Office 365は、ホワイトカラーの業務には欠かせないアプリケーションです。GPTの搭載により、WordやExcelの作業をAIがサポートしてくれるようになります。さらにマイクロソフトではMicrosoft Power Appsに統合し、プログラミングのソースコードを生成することに取り組んでいます。

Googleなど対抗する企業の動き

テレワークで使われるZoomのビデオ会議もChatGPTとの連携することが発表されています。一方で、OpenAIとマイクロソフトに対抗する勢力としては、Googleが対話型AIのBardを発表しました。

また、イーロン・マスク氏をはじめとした著名人は、AIの急激な進化に警鐘を鳴らし、AIの開発の一時停止を要望する声明を出しています。ただ、イーロン・マスク氏はChatGPTの競合となるAI開発を計画に着手しているという報道もあるため、ChatGPTを牽制する動きともみられています。

ChatGPTが中小企業に与えるポジティブな影響とは?

ここからは、ChatGPTのインパクトが中小企業にどのような影響を与えるのか考察します。中小企業の課題として、深刻な人材不足、業務効率化と生産性向上が挙げられますが、こうした課題解決のために対話型人工知は役立ちます。

文書作成とアイデア出しはAIにお任せ

ジェネレ―ティブAI としてChatGPTを活用すると、あらゆる文書作成が効率化できます。質問に合わせてさまざまな文章を作成できるため、社内で使うマーケティング資料のほか、オウンドメディアのブログ記事、SNSの投稿などの作成も可能です。

商品企画や販売戦略の立案にあたっては「壁打ち」いわゆるブレインストーミング(ブレスト)を行っている部署も多いのではないでしょうか。メンバーを会議に招集して企画を検討しなくても、ChatGPTと対話することによってアイデア出しができるようになります。

3月29日の衆院内閣委員会では、立憲民主党の中谷一馬氏がChatGPTで作成した想定答弁を読み上げました。さまざまなシーンでAIが活用され始めています。

業務処理をAIが自動化

プロンプトからExcelの関数を質問したり、VBAのプログラムを組ませたりといった可能性を探る試みがSNSを賑わせています。マイクロソフト社のさまざまなアプリケーションとChatGPT自体が統合されることにより、AIであることを認識せずに、より多くの人が業務の自動化を行えるようになるでしょう。

帳票などの計算処理だけでなく、カスタマーサポート部門の顧客対応、通常業務におけるメール返信など、ChatGPTによる業務効率化に大きな期待が寄せられています。

プログラミングやWeb制作もAIが対応

ChatGPTのプロンプトから質問することで、Python、Javaなどの言語によるプログラミングも可能です。また、Webサイトのコードを書き出すこともできます。OpenAIでは音声認識モデルとして「Whisper」を開発していますが、さまざまな音声認識アプリと組み合わせて、人工知能に話しかけながらプログラムを生成する未来的な開発環境の実現が現実化しつつあります。

ChatGPTが中小企業に与えるネガティブな影響とは?

このように便利なChatGPTですが、ネガティブな影響も予測されています。ChatGPTの影響は全職種におよび、特に業務効率化を目的としたアウトソーシング事業を展開する企業では人工知能の活用が及ぼす影響を考慮すべきです。また変化に対応するために、人材を含めた新たな投資が求められるようになるかもしれません。

アウトソーシング系企業の業務をAIが代替する

カスタマーサポート、コールセンターあるいはBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の事業に関しては、大きな影響が想定されます。ライティングやプログラミングの仕事もAIに代替される可能性が高いといえるでしょう。

AIを理解した人材採用の必要性が高まる

企業がDXを推進するにあたってITを理解した人材が必要とされてきましたが、優秀なIT人材の確保は困難を極めました。今後は、ITを理解した上でAIを活用できる人材が求められるのではないでしょうか。チャットボットの回答を改善するプロンプト・エンジニアという職種のニーズも高まっています。

最先端の技術理解はもちろん、自社の業務効率化やビジネスに人工知能をどう活かすか、戦略的にAI活用を構想し実現できる人材確保が重要になります。

DXに対する新たな投資が必要

自社のITによる競争力を高めるためには、他社に先駆けて最新技術を取り入れる必要があります。変化の激しい時代だからこそ、AI活用の時流にうまく乗った企業が大きく成長する可能性があります。しかしながら、その一方で最新技術が陳腐化して、急速に衰退する分野も予測されます。チャンスとリスクの両面からビジネスを冷静に判断することが求められます。

まとめ

中小企業の経営者は、いたずらにAIに踊らされることなく、現状を把握した上で自社に合わせたAIの活用を考えるべきです。実際にChatGPTを試して、何ができるのか把握することをおすすめします。得体のしれない技術に不安を募らせたり、逆に過度の期待を抱いたりするのではなく、実態を正しく把握することが大切です。ChatGPTに代表される人工知能の活用は大きな成長が期待される分野であり、今後も注目すべき領域といえます。

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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