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  3. 経営におけるIT戦略とは?課題や成功させるコツを知ろう

企業の経営戦略の1つとされている「IT戦略」。データやデータ活用が重視される現在のビジネス環境は、ITが欠かせない戦力の1つとされています。

しかし日本では、IT戦略に対する定義が曖昧なため、イメージはあるけれどよく分からないという人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、IT戦略とは何か、また活用のポイント、IT戦略を成功させるために押さえておきたいポイントなども紹介していきます。

IT戦略とは

IT戦略とは、IT(情報技術)をいかに活用してビジネスの成長や利益につなげていくか、具体的な方向性や計画を立て、実行することです。

企業では利益の追求だけではなく、事業を継続させることも重要な経営戦略の1つです。そのためにはITツールなどを使い、ヒトやモノが合理的に働ける環境を作ることが求められるのであり、売上や業績に直結する施策や方針とは異なります。

例えば、業務を円滑にすること、商品やサービスを改善していくこと、新しい顧客を開拓していくことなどがあげられます。

今日のビジネスは、より高度で複雑化しています。手作業だけでは困難な業務も、ITを駆使することで「IT戦略」を実現出来るようになりました。その1つとして社内の資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を活用するERP(基幹業務システム)などのツールが存在しています。

IT戦略で失敗しやすいポイント

IT戦略は、ただ業務支援システムを導入すればよいということではありません。実行してみるとうまくいかないということもあり、それは多くがITツールを導入する前に考える必要があったものばかりです。では、どのような失敗例があるのか見ていきましょう。

目的がブレてしまう

IT戦略で起こりがちなのが、ITツールの検討段階で、目的を見失ったり本来の目的そのものがブレてしまったりすることです。

例えば、「在庫をリアルタイムに確認したい」「原価・予算のデータを抽出し、傾向を知りたい」などシステムの導入を検討していっても、ITツールの比較・検討を行っているうちに「〇〇の機能が使いやすい」「✕✕の業務にも使えそう」と目移りしてしまい、「課題を解決するために導入する」という本来の目的を忘れてしまうことがあります。

ITツールはあくまでも人やモノの動きを効率的にする手段であり、使うことが目的ではありません。まずは企業の課題と向き合い、何のためにITツールを導入するのか考えましょう。

一部の人のみが快適になってしまう

ITツールの導入では、みんなにとって快適なものであるか、一部の人または部門だけに偏らないか配慮することも大切です。

例えば、経費精算システムを導入すると、経理部門の業務を効率化するだけでなく、営業部などが交通費の精算・承認作業を自動化できる会計ソフトと連携し、記帳や仕分けなど税務関連の業務も自動化できます。また、経費をデータ化して、経営層が月次決算や予算の検討に活用するなど、社内全体がシームレスに業務を進められるのが理想といえます。

ほかの部署でシステムと連携できずに機能しない、無駄な作業がなくならないといったケースにならないよう、全体でメリットを考えましょう。

費用対効果が見合わない

高額で高機能なITシステムを導入したにも関わらず、あまり利用する人がいない、うまく使いこなせないということもあります。最終的に放棄されてしまうと、それまでの出費が無駄になってしまいます。

ツールで費用対効果を上げるには、いきなりハイスペックなソリューションを導入するのではなく、まず基本操作のみのスモールスタートで利用を開始し、必要に応じて機能を追加していくとコストを最小限に抑えることができるでしょう。

その際は、運用のサポートなどもサービスに含まれているか確認しておくことも、余計な出費を防ぐ効果があります。

現在のIT戦略における課題

デジタル分野は今でも進化を続けており、IT整備の対応に追いつかない企業もあることを踏まえると、IT戦略の策定や実施には課題があるのも現状です。考えられる課題を見ていきましょう。

知識を持った人材の不足

IT戦略を策定・実施し効果を上げるには、一定のITの知識を持つ人材が必要ですが、今日の人材不足で、IT分野でも人材の確保が難しくなる可能性があります。

経済産業省の[IT人材育成の状況等について](https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s03_00.pdf
)によると、IT人材の需要に対し、供給が年々不足しており、2030年には41万人~59万人、最大で79万人不足すると試算されています。

これに対応するには、外部から人材を採用するか、社内の人材にIT研修を行い人材を育成するという方法があります。外部からITコンサルタントなどを業務委託することもできますが、いずれの場合も、ITツールだけでなく人材への投資も必要になるでしょう。

具体的な戦略の道筋を作れない

IT戦略は、中長期的な視点で策定していくため、目的やコンセプトなどが明確になっていないと、具体的な戦略の道筋を作れない可能性があります。会社として、長期的な目線でIT戦略を作る体制を整備し、人材育成や社員との情報共有、コミュニケーションを行っていくことも大切です。

IT戦略を成功させるコツ

では、失敗例や現状の課題を踏まえたうえで、どのようなIT戦略を立てることができるでしょうか。成功に導くポイントをいくつか紹介します。

フレームワークの活用

フレームワークとは、「構造」「枠組み」とも呼ばれており、ビジネスでは戦略立案や課題解決などにおいて、考え方や行動手順など、共通して用いることができる基本的な項目を型にはめた分析手法です。

それぞれの型に必要な事項を落とし込んでいけば、行動すべき方向性などが整理できます。

ビジネスのフレームワークは、ロジックツリー、4P分析、バリューチェーンなど、解決内容や目的などによってさまざまな種類があるので、IT戦略で何から始めればよいか分からないという人は、自社に合うものを調べてみましょう。

クラウドサービスの活用

現在はインターネット上に仮想サーバを提供するクラウドサービスが主流となりつつあります。それまでは自社に設置されたサーバにデータを保管していましたが、システムの構築には多額のコストと時間がかかっていました。

一方クラウドサービスは、導入コスト・運用コストともに低く短期間で導入できるのが特徴で、大規模なIT投資が難しい中小企業にはおすすめです。

ITツールの導入

物事を効率化するITツールは多様で、無料で使えるものも多くあります。代表的なものとして、ウェブ会議システム、ビジネスチャット、名刺管理、スケジュールなどがあげられます。普段使っているものもあるので、効率化できるものを積極的に活用してみましょう。

他社の事例の把握・参考

また、インターネットやビジネス本などでは、経営戦略やIT戦略、マーケティングなどさまざまな事例を読むことができます。比較・検討の材料として参考にしてみるとよいでしょう。

まとめ

IT戦略の策定で重要なのは、事業が継続できるために会社固有の課題を明らかにし、改善のために向き合っていくことです。その正しい方向性に進むためには、ITに関する一定水準の知識が求められます。信頼できるITパートナーを見つけて、長期的なプランとしてIT戦略について相談していきましょう。

(画像は写真ACより)

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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