2024.10.31
独自のチャットボットを作成できるCopilot Studioとは?活用方法や使い方を含めてご紹介

Microsoft Copilot Studio(以下、Copilot Studio)とは、Microsoft社が提供する生成AIアシスタント「Microsoft Copilot」をローコードを使用してカスタマイズできる機能です。
一般的に知られているCopilotではWebの検索エンジンを参照して会話するタイプのチャットボットでしたが、
Copilot Studioではチャットボットのカスタマイズを行うことができ、社内の蓄積したデータや特定のリンクを参照して会話ができるようになるなど、より専門的な分野に特化したオリジナルのチャットボット(会話型AI)の作成が出来るようになりました。
チャットボットの作成は難しいイメージがあるとは思いますが、Copilot Studioであればローコードで作成できる為、プログラミングを用いずに自然言語で指示を与えるだけで、ニーズに合ったチャットボットの生成が行えます。
本記事ではCopilot Studioの概要から具体的な使い方について解説していきます。
目次
Copilot Studioについて
Copilot Studioの主要な機能は、カスタマイズが可能な独自の生成AIチャットボットを作成できる点です。
Copilot Studioで用いられる生成AIは、高度な自然言語処理能力を備えたMicrosoft社が提供している生成AIアシスタント「Microsoft Copilot」をパーソナライズしたもので、
- 人間と会話を行うような自然な会話
- 複雑な質問の意図理解
- データに基づいた正確な情報提供、適切な回答
- 多言語対応
のような高度な情報処理が可能となっております。
Copilot Studioの特徴、できること
Copilot Studioの特徴を以下にまとめました。
ローコードで開発できるので、開発コストの削減ができる
Copilot Studioでは、プログラミングの知識が少なくても操作がしやすいようにテンプレート化されている部分が多く、シンプルな操作画面での設計が行えます。
これにより、複雑なプログラムを書く必要がなくプロトタイプの作成から本番運用までの期間を短縮しやすく、開発コストの削減ができます。
社内データを活用できる
一般的なWeb検索エンジンの情報だけでなく、社内に蓄積された独自のシステムやデータを学習させることで、特定の業務に特化したオリジナルのチャットボットを作成できます。
※主な活用例については、後ほどの「Copilot Studioの活用例」で詳しく紹介します。
作成したチャットボットに自動対応させることで業務の効率化を図れる
24時間365日の自動対応が可能なチャットボットを活用することで 、在庫管理や顧客問い合わせ対応など今まで社員が手動で行っていた部分を自動化することができ、その分社員はより重要な業務にリソースを割くことができるようになるため業務の効率化に繋がります。
Microsoft 365や外部ツールと連携ができる
Microsoft 365と連携することで、Teams内に社内専属のAIチャットボットを設置できるほか、PowerPointの資料作成やExcelのデータ入力をアシストできます。また、コネクタを利用することで、外部サービスとの連携も可能です。
主に連携可能なシステム
- Microsoft 365(SharePoint、Teams、Outlook等)
- Dynamics 365
- Azure サービス群
- Power Platform(Power Automate、Power Apps等)
細かく回答内容やアクションを設定できる
「アクション」や「トピック」を細かく設定できるため、よくある質問を「トピック」として一覧表示するなど、単純な質問への対応はもちろん、より複雑な対話が求められる問題解決にも対応できます。
例えば、「〇〇のような質問が来た場合、〇〇と返信する。」のように会話の内容によって回答内容を決める、ルールを設定することができます。
これにより回答の一貫性が確保され顧客満足度の向上が期待できます。
また、Power Automate を活用することで、ユーザーのリクエストに応じてデータベースから情報を取得し、その結果を返すフローを作成することが可能です。
作成したチャットボットの公開場所の指定が可能
Copilot Studioで作成したチャットボットはWebやMicrosoft Teams、自社ホームページやSNSなど、複数のチャネルに一括で展開することができます。
例えば、Teamsにチャットボットを展開することによってTemasアプリを開くだけで作成したチャットボットを利用することができます。
また、作成したチャットボットの利用について、特定の個人アカウントへの共有はできませんが、組織アカウントやセキュリティアカウントにつき作成したチャットボットの共有が可能です。
作成したチャットボットの用途に合わせて、公開場所を決定しましょう。

Copilot Studioの活用例
Copilot Studioの活用例を以下にまとめました。
自社専用FAQの設立
社内データを学習・連携させることで、社内向けのFAQに対応できるAIチャットボットを作成できます。
主な活用例を以下にまとめました。
・社内ルールや規約の確認
・福利厚生や休暇申請の方法の確認
・業務ノウハウの共有・確認
・フィードバックの収集・管理
・社内イベントやニュースの情報共有
また、Microsoft Teamsと連携することで、スケジュール管理やリマインダー設定、タスク管理のサポートも可能です。
顧客対応システムの設立
顧客からの問い合わせやクレームに対応するカスタマーサポート向けのAIチャットボットを作成できます。
顧客の質問に対し、事前に用意されたFAQや問題解決策を提案してくれます。また、社内データや過去の対応事例を学習させることで、顧客の声を理解した、より精度の高い回答を出せるようになります。
また、24時間対応していることで顧客はいつ問い合わせても即座に対応できるようになるため、待ち時間なく即座に問題解決ができるので顧客満足度の向上にも繋がります。
データ分析
特定のデータを分析し、それに基づく提案を出すことができます。
例えば、マーケティング領域において自社サービスの売れ行きや市場データをもとに、将来の予測や戦略を提案してもらうことが可能です。
会計データベースとの連携
社内の会計システムと連携することで、予算管理や売上の把握が容易になります。
たとえば「今月の売上はどれくらいですか?」「部署ごとの残りの予算はどのくらい?」といった質問に対して、リアルタイムのデータを参照して回答してもらうことが可能です。

Copilot Studioの料金
Copilot Studio は有料サブスクリプションで、個人アカウントごとの購入は出来ず、1テナントあたり月額200ドル(月額2万9985円)です。
また、月のメッセージの上限は2万5000件でそれを超える利用の場合は、個別に追加購入をする必要があります。
- 無料トライアル期間
Copilot Studio には一定期間の無料トライアル期間があります。
Copilot Studioの使い方
1.アカウントを作成、ログイン
まず、Copilot Studioの公式サイトにアクセスし、Microsoftアカウントにログインする。アカウントを持っていない方はMicrosoftの無料アカウントを作成してください。
URL:https://copilotstudio.microsoft.com
2.エージェントの作成
「作成」の方から「新しいエージェントを作成」を選択します。

3.チャットボットの名前や目的など具体的な構成を設定
次に、チャットボットの具体的な構成を次のように設定してください。
※この部分はスキップしても後から設定できます。

①名前と画像を設定
エージェントの名前と画像を設定します。
他のユーザーに共有することに備えて、パッと見て識別できる分かりやすいネーミング、画像にするのがオススメです。
入力内容:「〇〇社の社内ノウハウ回答チャットボット」
②説明を追加
チャットボットの目的や役割を明確に説明に追加します。チャットボットの利用者や開発者がチャットボットの機能や用途を理解しやすくする目的で使います。
エージェントの挙動に直接影響はしないので書かなくても問題ない部分ですが、なるべくわかりやすく具体的に記入して使いやすいチャットボットにしましょう。
入力内容:「社内規則などを含めた社内ノウハウ」に関する質問に答えます。社内のノウハウを学習データとして利用し、社内規約や業務ノウハウをチャット会話形式で答えてくれるチャットボットを作成し、社内の全体的な業務改善を目的に役立てます。」
③指示を追加
タスクや手順を記すことで、エージェントに行ってほしい動作を指示します。
今回の例では、ユーザーから「勤務規則について」と聞かれた際は、上から2番目の横列のものを表示させてください。」と指示を与えます。
本来ナレッジで細かい情報を渡しているので具体的な指示を出さなくても問題ないものですが、なるべく正確に回答してもらうため、具体的な列数まで指示文に記載しています。
④ナレッジ
ナレッジとは、チャットボットが回答のために参照する情報源のことです。
Copilot Studioでは、チャットボットにWeb検索エンジンの情報以外の特定の知識を持たせるために、SharePointサイトやファイルを「ナレッジソース」として追加することが出来ます。
今回は架空の企業の社内規則に関する情報が表形式で記載されたファイルをナレッジとして渡します。

⑤スタータープロンプト
スタータープロンプトとは、チャットボットを表示した際に表示される指示や質問のテンプレートのようなものです。
他のユーザーに共有することに備えて、どのような指示を与えればよいのかが伝わりやすい質問例を作りましょう。
入力内容:タイトル「データソースをもとに回答」
プロンプト「勤務時間について教えてください。」
4.チャットボットのテストを行い、公開をする
⑥エージェントをテストする
画面右側のチャット画面でチャットボットの動作確認を行うことができます。
今回、上記の画面右側で示している通り、想定通りに動いていることが確認できました。

以上でエージェントの作成が完了しましたので、次に右上の「公開」ボタンをクリックしましょう。
他ユーザーとの共有、Teamsとの連携方法
作成したチャットボットを、他のユーザーが利用できるようにします。
他のユーザーとエージェントを共有するには 2つの方法がございます。

①セキュリティグループ、組織に利用者(チャットボットと会話をするユーザー)として共有を行う。
1.上部のメニューバーで「その他」アイコン (…) を選択し、共有を選択します。
2.エージェントを共有するすべてのセキュリティグループの名前を入力します。
3.ユーザーにエージェントを共有したことを通知する場合は、新規ユーザーに招待メールを送信する を選択します。
4.共有する を選択すると、指定したグループでエージェントを共有できます。
※利用者(チャットボットと会話をするユーザー)はCopilot Studio課金ユーザーである必要はないが、個人ユーザーには共有できず、組織、セキュリティグループにのみ共有が出来る
②ユーザーに共同編集者として共有する
1.上部のメニューバーで「その他」アイコン (…) を選択し、共有を選択します。
2.エージェントを共有する各ユーザーの名前または電子メールアドレスを入力します。
3.コラボレーターにエージェントを共有したことを通知する場合は、新規ユーザーに招待メールを送信するを選択します。
4.共有する を選択すると、指定したユーザーとエージェントを共有できます。
Teamsとの接続
今回はチャットボットの公開先としてMicrosoft Teamsを例としてご紹介します。

①画面上部の「チャネル」タブより「Microsoft Teams」を選択してください。

②チャネルが追加されると上記の画面が追加されます。
・「詳細の編集」より Teams に公開用エージェントの編集、 Teams チームに追加することの許可などがここからできます。
・「エージェントを表示する」を選択すると、Teams が開き、下記の画面が表示されます。
「追加」を選択することで、Teams でエージェントを利用することが可能になります。
ここまでの操作で、編集権限を持つユーザーだけが Teams で該当エージェントを使える状態となります。
チャットボットを利用するユーザーに共有する
他のユーザーが作成したチャットボットを利用するために必要な作業として、主に 3 つの方法があります。
- リンクの共有
- Teams アプリストアに公開する
- zip としてダウンロード・アップロード
今回は、「Teams アプリストアに公開する」方法についてご紹介します。

「可用性オプション」を選択してください。

選択すると上記の画面に移ります。
※赤枠の部分が「Teams アプリストアに公開する」にあたって使用する部分です。
2つの公開範囲方法があります。
・共有ユーザーに公開する
・組織に公開する
この手順全体の詳細については下記の公開情報をご参照ください。
Teams と Microsoft 365 Copilot 向けのエージェントを接続し、構成する – Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn
まとめ

今回は、Microsoft Copilot Studioのエージェントを概要から作成方法について解説しました。
Copilot Studio は、ビジネスに役立つオリジナルの AI チャットボットや自動化ツールを手軽に生成できるプラットフォームです。自社データの活用や外部アプリ・サービスとの連携など業務の効率化に役立つ自社オリジナルのAIチャットボットを作成することができます。
この記事を参考に、Copilot Studioを使って自社の課題解決できるか一度検討してみてはいかがでしょうか。
また、今回は実装しませんでしたが、Power Automateのアクションなどを組み込むことでさらに複雑な操作も可能になります。ぜひ試してみてください。
参照:
カスタム エージェントでアクションを使用する (プレビュー) – Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn
Copilot エージェントで Microsoft 365 Copilot を拡張する – Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn
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