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  3. ビッグデータとは?データの種類やメリット、活用事例を紹介

近年、情報通信技術の進化によりビッグデータの存在が注目され、政府もデータの重要性と活用を促しています。

そこで今回は、ビッグデータとは何か、その概要とメリット、活用事例などを紹介します。またビッグデータ活用の注意点、IoTやAIなどのテクノロジーの関連についても把握しておきましょう。

ビッグデータとは?

ビッグデータとは、コンピュータなどを通して日々生成・記録されるさまざまな種類や形の膨大なデータ群を指す概念です。数値だけでなく、行や列では表現しにくい複雑な構造を持つデータが存在しています。

ビッグデータに対する明確な定義はありませんが、アメリカの調査会社・ガートナーが提唱した概念では「データ容量が大きい(Volume)」「データの種類が豊富(Variety)」「データ処理速度が早い(Velocity)」の3つのVと呼ばれる要素が含まれています。

その活用範囲は広く、それらのデータを分析・解析することで、あらゆるビジネスや社会のシステムに、革新的な価値を創造する可能性を秘めているとされています。

ビッグデータにおけるデータの種類

では、これらの要素を持ったデータとして、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。総務省の「平成29年版 情報通信白書」の解釈によると、ビッグデータは「オープンデータ」「産業データ」「パーソナルデータ」の3つで構成されています。

オープンデータは、国や地方公共団体が保有・提供しているデータで基本的に誰でも利用できるもの、産業データは、企業が保有する個人情報以外のデータで知見やノウハウなど、またはM2M (Machine to Machine)と呼ばれる産業機器同士の通信データなどです。

そしてパーソナルデータは、Webやウェアラブル機器などから収集した個人の属性情報や行動・購買履歴などのデータを指しています。

ビッグデータのメリット

ビッグデータ活用には、さまざまなメリットが考えられます。まず膨大で豊富な種類のデータにより、分析の精度が向上します。特に予測分析などの精度が向上すれば、客観的なデータに基づいた意思決定が可能になります。

社内の事業活動や保有するデータを合わせて、新しい社内システムやビジネスモデルの構築、新商品やサービスの開発などにつなげていくことができます。

また、ソフトウェアやシステムの処理能力が向上し、大量のデータ収集・分析が高速化します。リアルタイムでの分析も行えるため、マーケティング分野では市場のトレンドや属性に基づくニーズの把握など、いち早くキャッチ可能です。

さらにM2Mのように、機器やセンサー等を活用した記録データなど、人の力では収集が困難なデータを取得することで、画期的な価値創造も考えられるでしょう。

ビッグデータが浸透した理由

ビッグデータが浸透していった理由は、ITやインターネットの普及により、膨大なデータを効率的に収集できるようになったためですが、具体的には3つのプロセスにより具象化されていきました。

まず第1は、「コンピュータの発展とデータの電子化」により、アナログからデジタルへ移行していったこと、第2は「インターネットの普及」で、コンピュータの性能向上と低価格化により一般消費者にも広く使われるようになったことです。

この頃からさまざまなデータが蓄積されるようになり、第3のプロセスとして「ビッグデータの浸透」に到達したのです。

ビッグデータ化に大きく貢献したのが、「Hadoop(ハドゥープ)」と呼ばれるオープンソースのミドルソフトウェア。これは大量のデータをいくつものファイルに格納・管理できるデータ分散処理技術で、これによりデータ処理能力が著しく向上し、データの利活用が促進されたと言われています。

ビッグデータ活用の注意点

ビッグデータは、使い方に注意が必要です。まずはセキュリティ対策で、データには個人情報や企業秘密などを含む大量のデータを管理することになり、安全にデータを活用できる環境整備の構築が求められます。

また、新しいデータ収集に投資する前に、既存データの見直し、洗い出しを行いましょう。デジタル・アナログを含め社内の各部署または過去のプロジェクトなど、有用なデータが眠っている可能性もあるからです。

そして「何のためにビッグデータを活用するのか」という目的を明確にしておくことも大切です。はじめにプロジェクトの目標設定を行い、達成する手段の1つとしてビッグデータの活用が考えられるでしょう。ビッグデータの活用自体が目的になってしまうと、成果が得られにくく投資も無駄になってしまいます。

ビッグデータの活用事例

それでは、実際にビッグデータがどのようなことに使われているのか見ていきましょう。

マーケティング

マーケティングでは、Webサイトの訪問履歴やECサイトでの行動ログなどから、顧客の嗜好、感情、考え方などを分析します。これに成功している例がAmazonで、Webサイトで見た商品についてレコメンド機能を活用、ほかにも適切なタイミングでメールを配信し購入への検討を促すといった施策を行っています。

金融分野(フィンテック)

フィンテックとは金融サービスと情報技術を結びつけたもので、キャッシュレス決済、仮想通貨、資産運用、投資など、デジタルを通じて行われるものを指します。これら蓄積された金融情報とAIを活用し、業務効率化や資産運用のアドバイスなどを行うサービスも増えています。その例として、マネーフォワード社の家庭向け全自動家計簿などが挙げられます。

自動車

自動車でのビッグデータ活用の1つは自動運転、もう1つはカーナビやスマホを接続するテレマティクス(Telematics)です。テレマティクスの例としてはトヨタのナビシステム「T-Connect」があります。渋滞情報や天気予報、ルート案内や緊急連絡などのほか、ぐるなびと連携したレストラン情報の取得ができるサービスを提供しています。

ヘルスケア

ヘルスケア分野は、高齢化社会に向けて身体能力や運動機能、症状などさまざまなデータを蓄積し、ビッグデータの活用が期待されている分野です。現在実用化されているのはDPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類別包括評価)」や「NDB(National DataBase:レセプト情報・特定健診等情報データベース)」で、医療機関から送られてくる医療費や治療などの詳細データを、厚生労働省が集計・発表しています。

ビッグデータとテクノロジーの関係性

ビッグデータの話題では、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)、クラウド(仮想サーバー)といった言葉が多く使われています。実際に、ビッグデータはこれらテクノロジーの発展により具体化・可視化されていったのです。

IoTでものがインターネットに接続され、24時間情報のやりとりができることで、多くの情報が取得できるようになりました。またAIによって、膨大で複雑なデータを処理・分析できるようになり、クラウドはそれらのデータを格納できる場所となったのです。

つまり、ビッグデータの活用にはこれらテクノロジーが必要不可欠とも言えるでしょう。

まとめ

ビッグデータは、ビジネス改革の可能性を持つものですが、活用にはコストやセキュリティ、社内体制づくりなどの問題にも取り組む必要があります。信頼できるITパートナーを見つけて、相談しながら進めていきましょう。

(画像は写真ACより)

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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