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  3. ビジネスにおけるデータ活用とは?手順やメリット、課題を解説

企業ではITツールの導入、DXの推進などが進められるなか、ビッグデータをはじめとするさまざまなデータが収集できるようになり、ビジネス戦略としての活用が注目されています。

しかし、知識や準備もなく「データ活用」ができるわけではありません。そこでここでは、データ活用の概要と、活用のメリット、基本的な活用手順などについて紹介していきます。

データ活用とは?

データ活用とは、企業が保有するさまざまなデータを使い、業務効率や改善、経営戦略などに活用することをいいます。

総務省の[デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究(2020)](https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd132110.html)によると、大企業では製造業などを中心に約9割がデータ活用に取り組んでいると報告。一方で中小企業は6割未満となっており、データ活用があまり進んでいないのが現状です。

データ活用の特徴とデータ分析との違い

データ活用は、データから得られた情報を業務効率や戦略などに役立てることであり、データ分析は、データそのものから何らかの情報を引き出すことです。

つまり、データ分析から得られた知見を業務に反映させるのがデータ活用といえます。

データの主な種類

企業が保有するデータにはいろいろな種類があり、これらのデータを継続的に分析することで、タイムリーな戦略に活かすことができます。主なデータを紹介しましょう。

企業データ

企業データは2種類。その1つが「M2Mデータ(Machine to Machine)」で、IoT機器など機械同士が情報を交換することによって得られるデータのことです。

もう1つは「暗黙知データ」で、経験やスキルに基づく「コツ」「ノウハウ」といったような、企業が独自に持つ「知」のデータを指し、産業データとも呼ばれています。

顧客データ

顧客データとは、企業と接点を持つ顧客の情報のことをいいます。個人情報をはじめ、行動履歴、購買履歴、問い合わせ、クレーム内容などがあり、活用されるときは個人が特定されない形に加工された情報を使用します。

取引データ

取引データは、主にB to Bなどで交わされる請求書・領収書・契約書’・見積書などのやり取りを記録した電子取引データです。

購買データ

購買データとは、顧客が購入した商品やサービス、購入日時・個数・価格などが記録されたもので、集客状況や天気などといったデータと連携し傾向を分析するのに活用されます。

ログデータ

ログデータは「過去の記録」などの意味があり、コンピュータ上で発生した出来事や日時が記録されたものを指します。

IoTデータ

IoTデータは、インターネットにつながるさまざまなスマートデバイスから生成されるデータのことをいいます。例えば家電やセンサーなどから発する超音波や振動、光、電圧など人には感知しにくいものがあげられます。

SNSデータ

SNSデータとは、コミュニケーションアプリなどから収集できるアクティブユーザーやアカウントの数、投稿内容、口コミ、キーワードやハッシュタグといったもので、これらのデータを分析し生活者のトレンドを導き出します。

データ活用を行うメリット

では、これらのデータを活用することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。データ活用にはさまざまな取り組みや事例があげられていますが、主に効果の高いものをあげていきます。

売上の向上が期待できる

企業に蓄積されたデータを分析し、商品やサービスのニーズ、一般消費者の傾向などを導き出すことが可能です。それらをもとに提案や企画を行えば、売上の向上につながります。

また、リアルタイムでの集計や複数のデータ連係を行うことで、タイムリーなクーポン配信、関心の高い商品の提案など独自のマーケティング展開も可能になるでしょう。

コストを削減できる

データを分析・活用することによって、資材調達・発注業務などにかかるコストの見直し、業務フローや労力の改善などが行えるため、適正価格での購入、作業コスト、人件費など業務にかかるコストを削減することができます。

戦略の計画と検証が行いやすくなる

データはあらゆる角度から情報収集と分析・活用が可能です。データをもとに検証することで、社会内外の状況を明らかにし、そのうえで課題の洗い出し、今後の経営の方向性や新たな戦略など、ビジネスにおける意思決定に役立てることができます。

とくに近年は変化の早い社会情勢の流れ、企業間競争の激化など、スピーディーな意思決定が求められています。

データ活用の手順

データ活用には、どのデータをどのように活用するかが重要になりますが、その活用手順を把握しておくことで、適切な活用と効果につながります。手順を1つずつ見ていきましょう。

目的・分析課題を設定

まずは、なぜデータ分析を行うのか、問題を明確にし、「目的」として設定します。例えばITツールを活用した業務効率化、商品・サービスの利用者の満足度向上、特定の業務に関する工数の削減などさまざま様々あります。

データを収集・設定

次に、目的を達成するためにどのようなデータを収集するべきかを決めていきます。「社内システムを導入する」ことを目的としていた場合、従業員が現段階でどのような作業を行っているのか、どのくらいの時間や作業コストがかかっているのか、どのような機能を求めているかなどを調査し、分析方法などを設定します。

データを可視化・分析

ここでは収集したデータを可視化する作業で、数字や文字だけでは分かりにくいものも多いため、ツールを用いて図形やグラフ、表の作成を行い、状況を可視化します。そのデータをもとに、平均、分散、成長率、寄与度など多様な分析手法を用いて活用できる要素を読み解いていきます。

アクションプランを決定・実行

データ分析で得られた問題点から、実践に向けたアクションプランとして落とし込んでいきます。データ分析から問題や状況を説明するだけではデータ活用とはいえません。はじめに設定した目標に沿って、課題解決に向けた実践につなげていくことが大切です。

効果検証をする

実践後は、その効果を検証していきます。目標を達成できない、効果を得られない場合は、アクションプランを練り直し、再度実践していくことを繰り返していきます。

現在のデータ活用における課題

データ活用の課題は、分析と活用方法に関する知識不足、BIツールなどシステム導入が進まないといった理由により、分析が非効率的になり、データを活かしきれない企業も少なくありません。総務省のデータでも、データ収集・蓄積・処理の導入が済んでいる企業は約2割です。

また、データアナリストなどデータ活用のスキルを持った人材の不足もあります。専門担当者の割合は大企業では約50%、中小企業では30%を下回っています。

課題の解決方法

これらの課題を解決するには、ツールやサービスの導入を検討し、データを活用する体制を整えることが考えられます。どのような製品がよいか分からない、費用対効果を知りたい企業は、信頼できるITパートナーを見つけ、活用方法を含め相談してみましょう。

デジタルツールやサービスを賢く利用しよう

デジタルデータの活用効果は複数の研究で明らかにされており、とくにビッグデータを活用している企業は、そうでない企業に比べイノベーション創出に優位性があるという研究結果も出ています。デジタル化が進む現代、ビジネスの成功と成長のためにも、ツールやサービス、ITパートナーを利用して、積極的にデータ活用に取り組んでいきましょう。

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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