2023.04.11
無償版GeminiがGemini 1.5 Flashにアップデート!大幅に進化した機能とビジネスシーンでの活用方法を徹底解説
2024年7月25日、GoogleのAIツール「Gemini」は大幅なアップデートを実施し、無償版Geminiが「Gemini 1.5 Flash」へと進化しました。このアップデートにより、アップデート前に比べて性能が飛躍的に向上し、ユーザー体験が格段に向上しました。
Geminiシリーズは、AIツールの最前線を走り続ける存在として、日々進化を遂げています。
本記事では、無償版の大幅アップデートにより「Gemini 1.5 Flash」に進化したGeminiの主要機能を詳しく解説し、今回のアップデートがユーザーにもたらす具体的なメリットについて紹介していきます。
Gemini 1.5 Flashとは?
Gemini 1.5 Flashは、Googleが開発した大規模言語モデルGeminiファミリーモデルの一つです。高性能な「Gemini 1.5 Pro」をベースに、「蒸留(ディスティレーション)」技術を用いて軽量化と応答スピードの高速化を実現したモデルであり、コストパフォーマンスの高さが特徴です。
「蒸留(ディスティレーション)」技術とは、大規模なモデル(教師モデル)の出力を模倣するように、より小さなモデル(生徒モデル)を学習させる手法です。Gemini 1.5 Flashでは、Gemini 1.5 Proを教師モデルとして使用することで、軽量でありながらGemini 1.5 Proの性能の実現が可能となっています。
Gemini 1.5 Flashは、今後のGeminiシリーズの無償版の基盤となるモデルとして次に紹介する機能の通り、Gemini 1.5 Proに劣らない性能を発揮できます。
Gemini 1.5 Flashの特徴
応答速度(出力スピード)の向上
Gemini 1.5 Flashの最大の特徴は、その圧倒的な処理速度にあります。「Flash」の名が示す通り、従来のモデルと比較して、問い合わせに対する応答速度が大幅に向上しました。その処理速度は他の生成AIと比べて最も速く、平均して1秒未満で出力をすることが可能です。
質問に対する答えが瞬時に返ってくるため、ストレスなくAIとのやり取りが行えます。
評価テストによるGemini 1.5 proとの比較
公式サイトの評価テストを基準に比較してみましょう。
Gemini 1.5 FlashとGemini 1.5 proは共に、日々アップデートを重ねておりコーディング、マルチモーダル推論、翻訳などの各種タスクにおいて優れたテスト結果を出しています。
大幅アップデートによりGemini 1.5 Flashとなった無償版Geminiの、従来のモデルに比べ進化した機能を紹介します。
- マルチモーダル機能の追加
複数の異なる種類(テキスト、画像、音声、動画など)の情報を同時に処理できるマルチモーダルな機能を備えています。
例えば、画像認識とテキスト解析を組み合わせることで、画像に写っている物体を識別し、その物体に関する詳細な説明を提供してくれます。これにより、より人間に近い理解力と正確な応答が可能になります。
- 自然言語処理(NLP)の精度向上
自然言語処理(NLP)の精度が大幅に向上しました。これにより、より自然な文章生成、複雑な質問への対応、そして文脈を理解した上での会話などが可能になりました。
- ハルシネーション対策の強化
AIが事実と異なる情報を生成してしまうハルシネーション(誤情報)問題に対して画期的な対策が導入され、より信頼性の高い情報を生成できるようになりました。
具体的な対策の一部として、事実確認の質問に対して関連リンクを表示してくれる。また、ダブルチェック機能を搭載したことで、Google検索を使用して回答の信頼性を確認し、矛盾がないかの確認が行われるなどのハルシネーション対策が加えられ、生成される情報の正確性が大幅に向上しました。
- Geminiのアクセス可能ユーザーを13歳以上に拡大
Geminiへのアクセスを13歳以上のユーザーに拡大した。これは、GoogleがAI技術の恩恵をより多くの人々に届けるという取り組みの一環であり、特に若者たちの学習意欲を高め、創造性を育むことを目的としています。Googleは、若者が安全にGeminiを利用できるよう、追加のポリシーと安全対策を導入し、AIリテラシーガイドの提供を予定している。
- 高度なコンテキスト保持能力
コンテキストウィンドウが従来(Gemini 1.0 pro)の4倍となる32000トークンに拡大しました。これにより、より長い会話や複雑な質問への対応が可能となります。
コンテキストウィンドウとは
AIが会話の文脈を保持するために「コンテキストウィンドウ」と呼ばれる仕組みが用いられています。
コンテキストウィンドウが大きいほど、AIモデルはより長い会話の履歴を記憶することができます。
具体的には
- より自然な会話:長い会話でも、これまでのやり取りを踏まえて適切な応答を生成できます。
- 複雑なタスクへの対応:長文の文章の要約や、複数の質問にまたがる回答など、より複雑なタスクに対応できます。
- 特定の分野への特化:専門的な知識を必要とする分野において、過去の質問と回答の履歴を元に、より精度の高い回答を生成できます。
コンテキストウィンドウのトークン数が多ければ多いほどより人間に近い理解力と正確な応答が可能となります。
Gemini 1.5 Flashの使用方法
Google AI Studioでの利用
1.上記のリンクにアクセス
2.「利用規約の確認」にチェックを入れ、続行を選択
3.「model(画像の矢印)」から、Gemini Flashを選択すれば、準備完了です。
Geminiサイトでの利用
1.上記のリンクにアクセス
2.googleアカウントでログインするか、新しいアカウントを作成する。
Geminiモバイルアプリでの利用
1.Google PlayストアまたはApp Storeから「Gemini」または「google」をインストール
2.Googleアカウントでログインするか、新しいアカウントを作成する。
Gemini 1.5 Flashのビジネスシーンでの活用方法
Gemini 1.5 Flashは、その高度な言語処理能力と汎用性により、ビジネスシーンでも幅広く活用されることが期待されています。以下に、具体的な活用事例をいくつかご紹介します。
コンテンツ作成の効率化
文書作成:ニュース記事やブログ記事、製品説明などの作成を高速で行うことが可能で、コンテンツ制作のスピードの向上が期待できます。
マーケティング資料作成:広告コピーやプレゼンテーション資料、レポートの作成を支援し、マーケティング活動の質の向上が期待できます。
データ分析の支援
データの抽出:長文の論文などのドキュメントから必要な情報を抽出したい場合、Gemini 1.5 Flashの圧倒的な処理速度によるデータ分析が期待できます。
トレンド分析:最新の業界トレンドや消費者行動を分析し、企業への影響を評価を行うことが出来ます。
競合分析:競合他社の戦略や製品を分析し、自社との比較を明確に行いやすくなります。
予測分析:将来の売上や顧客行動を予測し、ビジネス戦略の立案に役立てることが出来ます。
多言語対応
多言語での文書作成やマニュアルの作成、翻訳のサポートを行うことが可能で、企業のグローバル展開を支援することが出来ます。
まとめ
本記事では、Gemini 1.5 Flashについて詳しく解説しました。今回のアップデートにより、Geminiは無償版でも高性能なAIを利用できるようになりました。
AI技術の進化に伴い、開発者や企業は、より大規模で複雑なデータを迅速に処理できるモデルを求めるようになっています。
Gemini 1.5 Flashは、そんな市場のニーズに応える「処理速度や正確性の面で大幅に向上したAIツール」であり、ビジネスパーソンやクリエイティブな作業を行うユーザーなど、多くの場面でその有用性が期待されています。
今回のアップデートも、Geminiの進化の一環に過ぎません。今後、技術トレンドに合わせてマルチモーダル機能の強化、さらなる処理速度の向上、コストの軽量化など様々なアップデートが期待されます。
今後のアップデートにも注目しながら、ぜひGemini 1.5 Flashを活用して、AIの新たな可能性を体験してみてください。
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