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  3. 業務の自動化とは?必要性やDX推進との関係、始め方を解説

ITの発達により、業務を自動化する流れが加速しています。業務の自動化は、本来人の生活や暮らし、ビジネスを豊かなものにするために作られていますが、「仕事がなくなるのでは」といったようなネガティブなイメージを持つ人も存在します。

ここでは、業務の自動化とは何か、その概要と必要性、自動化の始め方などについて解説していきます。

業務の自動化とは?

業務の自動化とは、今まで手作業・手入力などで行ってきた業務を、ITシステム等を使うことでコンピュータやロボットが代替することです。業務の自動化には、デジタル的な自動化と物理的な自動化の2種類があります。

前者はいわゆる人事や経理、財務などの「バックオフィス業務」と呼ばれるものに使われ、作業の流れや手順、記入事項などが決まっている定型業務を、パソコン上の操作によって自動化するものです。

後者は、製造現場や建設現場などで使われるロボットやセンサーなどがあり、さまざまな機器がプログラムされた情報をもとに、定形作業や危険な場所での作業を人の代わりに実行します。

ここで、業務の自動化で使われる代表的なテクノロジーを説明します。

・RPA(Robotic Process Automation)
コンピュータに保管・蓄積されたデータの読み取りや活用を行います。

・OCR(Optical Character Reader)
スキャンされた画像やテキストなどを認識し、文字データに変換する光学文字認識機能です。

・AI(Artificial Intelligence)
人工知能と呼ばれるもので、経験から学習、分析し、簡単な判断もできるようになります。

・IoT(Internet of Things)
ロボットや家電などさまざまなものがインターネットで接続されることにより、遠隔で操作ができるようになります。

業務自動化の必要性

業務の自動化が必要とされる理由には、人手不足の解消があげられます。人間の労働力には限界がありますが、ロボットやコンピュータであれば不足分の労働力を補うことができ、迅速かつ継続的に活用することで作業の効率化を実現します。その結果として、時間や人件費の削減にもつながります。

DX推進との関係

自動化により業務の改革につながるのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。

DX化によってあらゆるデータを電子化し、作業が効率化できれば、労働者はクリエイティブな仕事や、企業が解決しなければならない課題への取り組みなどに注力できるため、人的リソースを効果的に活かすことができるのです。

業務の自動化において見られる勘違い

会社全体にとってメリットが多い業務の自動化ですが、ネガティブにとらえる人もいます。どのような考え方があるのでしょうか。

人間の仕事が減ってしまう

「自動化」することの影響でよくある勘違いが「仕事がロボットに奪われてしまう」というものです。しかし自動化は人の暮らしを楽にする仕組みです。そのよい例として家電があげられます。主婦/主夫が洗濯機、電子レンジを使うことで時間に余裕ができ、仕事や育児、介護、趣味などほかの仕事に注力できるようになります。

ビジネスでも同様で、自動化された分の時間は、人がやるべきほかの仕事にシフトしていくと考えれば分かりやすいでしょう。

コストがより多くかかってしまう

また、コストがかかるために自動化に踏み切れないと考える人もいます。自動化のツールを導入すれば、初期費用・運用費などがかかりますが、長期的に見ると人材コストにかかる時間やお金のほうが格段に高くなります。

自動化を活用することができれば、適正なコストに抑えることも可能です。

面倒で手間がかかる

先進技術に対する知識がない、あるいは難しいと感じている人は、手間がかかるのではと考えがちです。確かに、専任の担当者をつける、学習する、メンテナンスを行うなどある程度の労力は必要になりますが、一度覚えれば日常業務は自動化されるため、結果的に時間の短縮につながります。

業務自動化がなかなか進まない理由

業務の自動化にはメリットが多く、懸念事項も払拭できる理由があるにも関わらず、まだすべての事業に浸透していません。その要因として以下のことが考えられます。

業務の把握不足

全体の業務の実態を把握せずに自動化を進めてしまうと、「利用しにくい」「活用できなかった」という事態になってしまうことも考えられ、結果として誰にも利用されず失敗してしまうケースがあります。

自動化と一口に言っても、企業によって取り組む内容や導入するツールは同じではありません。業務の実態を調査し現状を把握する必要がありますが、時間がかかるうえ、マニュアルなどもない場合が多く、手順が分からずに自動化に進めなくなってしまう企業もあります。

自動化できるものか見極められない

自動化ができれば何でもよいというわけではありません。自動化することで効率化できるもの、そうでないものをきちんと見極められないと、ツール導入を検討しても必要ないものになってしまう可能性があります。特に思考、判断、意思決定、コミュニケーションなどは、コンピュータやロボットが代替できるものではないからです。

自動化の目的、それによって得られる効果を特定しましょう。

自動化した場合の具体的なメリットが明確でない

「自動化すると楽になります」では、どのような効果があるか分かりません。効果を数値化したり、定量的に示したりしないと、抽象的になり経営層や担当者間で認識が異なる可能性があります。

「自動化すると残業はゼロになります」「作業時間は1人当たり1日2時間削減できます」などのように、具体的な効果や価値を示すことが大切です。

業務の自動化はどのように始めるのか

では実際に、業務を自動化するための取り組み方についてステップごとに解説します。

まずは実際の業務内容を「見える化」します。記録ツールなどを使って、業務内容とその手順などを洗い出し、いつでも確認できるように業務ごとに整理しましょう。

見える化した業務のなかから、パターンが決まっているものを選び、自動化を検討していきます。定型的な業務でも、承認作業など人の判断が必要なものもあるので、自動化できるものと組み合わせて考えていきます。

このとき、社内にある請求書や見積書、各種申請書などの紙書類も電子化していきましょう。自動化するときは、電子化された情報をコンピュータに保管・共有・蓄積できる仕組みを作ります。ペーパーレス化することで、紙や印刷代などの節約、保管場所の削減につながります。

そして、業務を自動化するRPAツールの選定、テスト運用に入ります。テスト段階から実装前と実装後の違い、実際の業務時間の計測など検証を行い、効果が見込まれると納得したうえで実装します。

効果の検証は、実装後も継続的に行いましょう。業務の実行回数や所要時間などを自動的に収集できるようにし、導入後の傾向、変化などを把握します。

改善が必要な場合は再度取り組み、「業務の見える化」→「自動化」→「効果検証・測定」→「改善」を繰り返し、自動化の効果を維持・向上させていくことが大切です。

まとめ

RPAツールの導入では、マニュアルやアフターケア、サポートなどが含まれたツールを選ぶとよいでしょう。使い方が難しかったり、効果が出ないために悩んだりすることもあります。まずは自動化を検討する段階から、信頼のおけるITパートナーを見つけて相談することをおすすめします。

(画像は写真ACより)

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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