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  3. ブロックチェーンとは? 技術的な背景と代表的な5つの業界の活用について解説

ブロックチェーンは仮想通貨のための技術だけでなく、データベースを効率的に連携させる仕組みとして、さまざまな産業で活用が考えられています。この記事では、ブロックチェーンの基礎知識を踏まえた上で、さまざまな業界別における活用の可能性を取り上げます。

ブロックチェーンとは?

金融(Finance)と技術(Technology)組み合わせたフィンテック(FinTech)という技術トレンドがあります。この中心的な技術が「ブロックチェーン(blockchain)」です。

ブロックチェーンはデータベースの技術であり、ブロックの単位でデータを管理し、それぞれのブロックを鎖のようにつぎます。ブロックの単位には、コンピュータと取引の情報が記録され、同じデータを分散して管理します。データを分散させて管理することから、中央集権型の管理ではないことが、ブロックチェーンの大きな特徴です。

中央集権型でデータベースを管理する場合、管理者や管理する特定の企業の負荷が大きくなります。また、データベースにトラブルが起きたとき、すべてのシステムが利用できなくなるリスクをはらんでいます。ブロックチェーンの技術は分散してデータを管理するため、システムダウンのリスクを低減します。

ブロックチェーン登場の背景と経緯

ブロックチェーンの登場は2008年頃、仮想通貨のビットコインを管理する概念として使われ始めました。ブロックチェーンは、データベースの分散型台帳を管理する基幹技術であり、現在はビットコイン以外でも活用が検討されています。

多くの企業では、情報をデータベースで管理して運用しています。しかし、それぞれのデータを連携させようとすると、データ形式や管理方法が異なるため同期が困難です。ブロックチェーンを使うことによって企業間のデータ連携が容易になり、情報のやりとりの迅速化や効率化を実現します。

ブロックチェーンの市場規模と有望性

矢野経済研究所は、ブロックチェーンに関する国内市場規模は2020年に約415億円から2025年に約7,247億円に拡大すると予測しています。デジタルコンテンツやエンターテイメントの分野のほか、ブロックチェーンのプラットフォームが拡大し続けています。

参考:「2021 ブロックチェーン活用サービス市場の実態と将来展望」株式会社矢野経済研究所

ブロックチェーンは業界または社会全体のインフラとして整備されつつあり、中小企業としても注目すべき技術といえるでしょう。

ブロックチェーンの3つの種類

ブロックチェーンには運用の方法から次の3つの種類があります。

  • パブリックチェーン
  • プライベートチェーン
  • コンソーシアムチェーン

パブリックチェーンは、参加者に制限がなく誰でも参加が可能です。仮想通貨のビットコインが代表的な例であり、取引データはすべて公開され、透明性が高いことが特長です。一方で、ルールを変えることができません。ルールを変更する場合は参加者の合意が必要になり、時間がかかります。

プライベートチェーンは、金融機関や企業、組織内で限定された参加者で運用するブロックチェーンです。管理者によって運用されるため透明性は低いのですが、ブロックを連携する際にはスムーズに承認を行える特長があります。

コンソーシアムチェーンは、パブリックチェーンとプライベートチェーンの中間的な位置づけであり、特定の共同体によって運用されます。承認などのスピードを維持しつつ、透明性の高い運用が可能になります。

ブロックチェーンプラットフォームとは

ブロックチェーンは3つの種類に合わせて、さまざまなプラットフォームが生まれています。代表的なプラットフォームには以下があります。

  • ビットコイン(Bitcoin)
  • イーサリアム(Ethereum)
  • リップル(Ripple)
  • クオラム(Quorum)
  • コルダ(Corda)
  • ハイパーレジャーファブリック(Hyperledger Fabric)

それぞれのプラットフォームは利用目的や用途によって異なります。たとえば、ビットコインは仮想通貨向けのブロックチェーンプラットフォームであり、イーサリアムは暗号通貨のトークンの市場を独占しています。リップルは銀行間に特化したブロックチェーンです。BtoBの企業間の利用に使われるブロックチェーンとしては、クオラム、コルダ、ハイパーレジャーファブリックがあります。

中小企業の経営者としてすべての技術を理解する必要はありませんが、目的や用途によって多様なプラットフォームがあること、秘匿性の高さなどに違いがあることを押さえておくとよいでしょう。

取引や契約を自動化するスマートコントラクト

ブロックチェーンの機能のひとつとして「スマートコントラクト(smart contract)」があります。スマートコントラクト(smart contract)は、ブロックチェーン上で一定の条件を満たせば、取引や契約を自動的に行える仕組みです。

スマートコントラクトを登録すると、第三者はもちろん登録者自身も変更ができません。ネットワーク参加しているすべての人が確認できるため、透明性が高い仕組みです。人為的なミスをなくして改ざんを防ぐとともに、取り引きや契約のスピードアップを実現します。

ブロックチェーンの仕組みと3つのメリット

ここまでの解説で既に触れてきましたが、あらためて整理すると、ブロックチェーンのメリットには以下の3つがあります。

  • 情報を改ざんされにくい
  • 情報を追跡できる、透明性が高い
  • 安定したシステムの稼働

ブロックチェーンの仕組みを踏まえながら、3つのメリットを解説します。

情報を改ざんされにくい

金融情報をネットワークで扱う最大のリスクは、情報が書き換えられてしまうこと、つまり改ざんです。しかし、ブロックチェーンは技術的に改ざんされにくい特長があります。

仕組みから説明すると、ブロックチェーンでは、ひとつ前のブロックの情報をハッシュ値、ナンス値というデータで引き継いでいます。改ざんするためには、すべてのデータを変える必要があり、あるデータを改ざんするとブロックが接続されなくなるため、改ざんされにくくなっています。

情報を追跡できる、透明性が高い

情報の追跡はトレーサビリティ(traceability)として、特に食品関連の企業で重視されています。分散型で処理するブロックチェーンは、複数のデータベースを連携して情報を追跡可能であり、取引の記録は常に透明性の高い監視状態にあります。トラブルが起こったときに原因を明らかにしやすいことがメリットです。

安定したシステムの稼働

ブロックチェーンのネットワークは、P2P(Peer to Peer)で接続されています。中央に設置されたサーバーに個々の端末つながっているネットワークではなく、個々のコンピュータが水平的に接続している仕組みです。

中央にメインのサーバーがあると、そのサーバーがダウンした場合、ネットワーク全内のシステムが利用できなくなり、保存されていたデータが失われてしまうリスクがあります。しかし、ブロックチェーンではコンピュータどうしがつながり、それぞれのコンピュータにデータが保存されているため、安定したシステムの稼働を維持します。

ブロックチェーンが実現するDXを業界別に解説

一般的に、ブロックチェーンは仮想通貨をはじめとした金融関連の仕組みとしてとらえられがちです。しかし、取り引きの情報に商品や流通など多様な情報を連携させて多様な活用が考えられています。金融にとらわれずに物流や生産管理にも応用できます。

さまざまな業界のブロックチェーン活用方法について、代表的な5つの業界別に解説します。

製造業界

製造業では、製品が完成するまでに部品を供給する多くのサプライヤーが必要になります。たとえば自動車業界では、ひとつの自動車が完成するまでに、電子部品を含めて膨大な部品が必要です。

したがって製造業界では、サプライチェーンマネジメント(SCM)が重視されています。水平分業型のサプライチェーンでは、異なるデータ形式やシステムが乱立するため、データベースの連携が非常に困難です。サプライヤーの膨大な部品データを統合して、製造過程の流れを把握する目的から、製造業におけるブロックチェーンの活用が期待されています。

食品業界

食の安全性が求められる食品業界においては、ブロックチェーンの特長のひとつであるトレーサビリティが重要です。生産者、生産日、生産方法、流通経路、そして最終的な廃棄段階までを追跡できることが求められています。

生産地の偽装や誤った表記を防ぎ、食品の透明性を高めるためにブロックチェーンの仕組みが役立ちます。健康被害が発生しそうな食品が流通したとしても、流通経路を追跡して被害を最小限に食い止めることが可能です。

流通業界

物流の分野では、コンソーシアムチェーンの活用が追求されています。荷物の追跡、取引などオペレーションの自動化が可能になり、発送した場所、発送ルート、現在位置、中継地点の倉庫、配達時間などの追跡情報が得られます。

不動産業界

不動産業界では、ブロックチェーンによって賃貸物件などの手続きの簡略化をめざしています。賃貸契約時の入居者の情報を、電気・ガス・水道など公共料金の支払いなどと連動させるような試みです。また、不動産登記の自動化によって事務手続きにかかる膨大な人件費を削減するとともに、不動産情報を幅広く流通させることが可能になります。

医療業界

医師と患者の取引データ、臨床研究のモニタリングなどでブロックチェーンが進められています。多くの病院や医療機関は、患者などの情報を異なる電子情報で管理しています。個人の健康情報を統合して一括管理することにより、かかりつけの医師が変わっても症状などの情報を共有できる医療を実現します。

中小企業の経営者が押さえておきたいポイント

取引先のデータベースを利用する際に、データ形式が異なることから煩雑さを感じている現場の担当者も多いのではないでしょうか。場合によってはデータをExcelで整形するなどの作業が必要になります。

ブロックチェーンのスマートコントラクトによる契約や取引の自動化は、こうした中小企業における業務効率化の課題解決に貢献することが予測されます。

しかし、ブロックチェーンのデメリットも理解しておくべきです。ブロックチェーンでは、ネットワークにつながれたコンピュータ全体にデータを分散させるため、一度登録すると削除ができません。ブロック生成に時間がかかるほか、データが膨大になるデメリットもあります。プラットフォームによっては悪意のある利用者が入り込む可能性があり、現在では法律が整備されていないことも理解しておきたいデメリットです。

このようなブロックチェーンのメリットとデメリットを把握した上で、どのようなタイプのブロックチェーンを何のために採用するのか、考慮する必要があります。

まとめ

ブロックチェーンは金融関連の技術として、取引や契約をスピードアップするために注目されています。さらに、さまざまな業界のデータ活用を変革する可能性を秘めています。技術トレンドに注目しつつ、自社を取り巻く業界の変化や自社に対するメリットやデメリットを考えることが大切です。

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この記事を書いた人

KJ@DXコラム編集長

KJ@DXコラム編集長

エンジニア出身で現在は現在は営業窓口全般を担当しています。 お客様とのファーストタッチのタイミングからスピーディーに技術的な原因とその対応を行います。 DXの取組に興味を持たれたお客様と一緒になってゴールまで走り抜ける経験を2025年まで培っていきたいと思っています。 このコラムで2025年までの軌跡をお客様と作っていければと思っております

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